ヤンキーの語源

ヤンキーは、英語の「Yankee」からきている言葉だ。今では野球のチーム名にあるように、地元のプライドとしての認識が強く蔑称とは考えられていないが、もともとアメリカ北東部の白人に対する蔑称で使われていた。

70年代まで、日本ではいわゆる不良少年のことを「ツッパリ」と呼んでいた。
80年代半ばに大阪・難波のアメリカ村で、派手なアロハシャツや太いズボンを履いたファッションが若者の間で流行り、それからアメリカ風のファッションを好む若者がヤンキーと呼ばれた。そのうちに口伝えで不良っぽい人を「ヤンキー」と呼ぶようになり、定着していったと言われている。
日本におけるヤンキーの語源は諸説あるが、大阪が起源というのが有力なようだ。

ヤンキーの定義

80~90年代のヤンキーには、ファッションに特有のこだわりがあった。

男子の場合はリーゼントヘアに短ランや長ランなどの「改造学生服」を着ていて、赤などの派手なインナーシャツが好まれた。
女子の場合はロッドの細かいパーマにロングヘア、長いプリーツスカートスタイルだ。
男子と女子、どちらも見た目が分かりやすく、ぺちゃんこの学生鞄を持ち、派手なサンダルやデッキシューズを履いていたのも特徴的だ。
外からは見えないおしゃれにこだわりを持つ者も多く、学ランの裏に「裏ボタン」や「裏刺繍」をあしらうことがカッコいいとされた。

彼らの多くが反知性主義で、勉強が嫌いだった。そのため、「インテリ」や「ガリ勉」といった優等生タイプの学生は嫌われたが、なぜか学校は好きで、休まず通う人が多かったようだ。

ヤンキーの変遷

90年代に入ると、前述したような見た目をした若者は一気に少なくなった。
都市部を中心に「チーマー」や「ギャル」などが流行り出してからは、田舎の一部地域でしか見られなくなり、今では田舎へ行っても「ヤンキー」に憧れる若者はほとんどいないようだ。昭和のいわゆるツッパリやヤンキーは、ほぼ絶滅したと言っても良いだろう。

ヤンキーに代わり、平成に入って登場したのが「マイルドヤンキー」と呼ばれる若者たちだ。
普段は上下スウェットやジャージにサンリオキャラクター・キティちゃんのイラストが描かれた健康スリッパ、通称「キティッパ」を履いていて、茶髪や金髪スタイルが定番。
ヒョウ柄やゼブラ柄、ショッキングピンクなどの派手な色や模様が好きで、彼らの身の回りの物はこれらの色柄で埋め尽くされている。
マイルドヤンキーも今では見かけなくなってきたものの、まれに郊外のショッピングモールやコンビニに出没することがある。
運が良ければ、マイルドヤンキーたちを目撃することはあるかもしれない。