ヤンキーと言えば見た目の分かりやすさが特徴で、彼ら独自のファッションセンスを持っている。そして、昭和、平成、令和と時代の流れに伴って彼らのファッションも変化していった。
ここでは、不良文化を知るために、ヤンキー的なファッションを年代別に分けて紹介していこう。

昭和:ヤンキー全盛期

ヤンキー全盛期と言われる1980年代の不良の特徴は、男性はリーゼント、女性はパーマとヘアスタイルに特徴があった。
女子の中には、当時最先端だった「聖子ちゃんカット」を茶髪にしたスタイルでキメる者も多く、サイドは外巻きのレイヤード、バックは内巻きにするのが主流だった。

男子の制服は短ランや長ランなど、学ランの裾を極端に短くしたり長くしたりするのが良しとされた。ズボンは大きく膨らむ「ボンタン」で、学ランの裏地を派手な色にしたり刺繍を入れたりといった見えないおしゃれにもこだわりが強かったようだ。
女子はセーラー服のプリーツスカートが長いほどヤン度が高いとされ、地面スレスレのロング。男女ともに足元はデッキシューズやサンダルで着崩した。

これらの改造学生服は校則違反として学校でも厳しく取り締まられたが、「規則なんてクソ喰らえ」がモットーのヤンキーは、臆せず改造ファッションで登校していたらしい。

平成:B系やギャル系など

平成に入ると、ラップやレゲエなどのブラックミュージックの影響からB系スタイルが流行した。男子はダボダボのパンツを腰骨スレスレで着る、いわゆる「腰パン」が主流になっていく。

女子の間ではヤンキーに代わり「ギャル」が流行。ミニスカートにルーズソックスやハイソックスといったスタイルは、不良でなくとも全国で好まれた。
その後、派手なメイクやネイルに日焼けサロンで肌を黒く灼いた「ガングロ」などへ派生し、男性版はギャル男などと呼ばれ一部でブームとなった。

令和:そもそも不良がいない?

ここでも少子化の影響なのか、それとも「不良っぽい=かっこいい」という感覚がなくなってきたからか、令和は不良少年たちの数自体が減っているそうだ。着崩したファッションや独自のファッションで自己主張する者たちがいなくなってきた。
ネットの普及によって「ヤンキーはダサい」という風潮の広まりからも来ているようだ。

ただ、地方には派手なファッションを好む「マイルドヤンキー」と呼ばれる若者たちは存在する。
地元愛が強く、周囲とのコミュニティが強固なのが特徴。金髪やピアス、ジャージ姿など見た目は派手だが、反社会的ではなく一般社会になじみ、普通に生活している。