いわゆる昭和のコテコテヤンキーは絶滅したといえるが、不良っぽいファッションを好む若者たちがいなくなったわけではない。
特に地方都市や田舎にいくほど、確かに「ヤンキーっぽい人」は存在していて、彼らはヤンキーとはまた別のカテゴリとして認知されているようだ。
ここでは、現代に見られるマイルドヤンキーの生態について調べてみた。
マイルドヤンキーとは
俗に言う「ヤンキー」とは全く異なり、都会ではなく主に地方に住むヤンキーっぽい派手な服装を好む若者を指す。とくに不良として生きているわけではなく、かといって都会への憧れや上昇志向も少ない。
大人になっても特に都会へ出るわけではなく、仲間のいる住み慣れた故郷で暮らしている。
マイルドヤンキーと呼ばれる由来は、2014年にマーケティングアナリストの原田曜平氏が、従来のヤンキーと比較して定義づけたことが始まりとされている。
非行や暴力行為、派手な格好のイメージを持つヤンキーに対し、攻撃性がなく暴力的な行為をしない様子から、穏やかなヤンキー=マイルドヤンキーと呼ばれるようになったようだ。
マイルドヤンキーの特徴
マイルドヤンキーのファッションはひとくくりには出来ないほど多様だが、金髪にジャージ、派手なアクセサリーなどを好む傾向にある。
ファッションの一部として身体にタトゥーを入れている者もいるが、決して反社会的な人物ではない。
一般の人と同じように普通の仕事をしていて、ごく普通の暮らしをしている。
地元が好きで、休日も特に遠出することはなく、ミニバンや軽自動車に乗って地元のショッピングモールやドラッグストアなどに出かける。
地元愛が強い
彼らは地元愛が強く、大人になってからも故郷を離れることは少ない。生まれ育った街で築いてきたコミュニティは強固で、仲間意識が大変強いのも特徴だ。
家族や友人を大切にする傾向にあり、互いの絆が深い人も多いようだ。
また、若いうちに家庭を持つものが多く、都会に比べて結婚や子供をもうけるタイミングも早い。
地方は物価が安い上、今ではどこにいても都会と同じような物が手に入る。そのうえ地域に支えながら子育てができるので、大企業への就職や大出世がなくても十分に暮らしていけるのだ。
向上心や競争心が薄いと言えばそれまでだが、平成の経済停滞期に青春を過ごした若者たちにとっては当たり前の生き方であり選択肢のひとつかもしれない。
ただ、地方で生きていくには車がないと不便だ。そのため、車やバイクにこだわりを持ち、お金をかける者も少なくない。たとえ金額が高くても納得いくものを選んだり、自分なりにカスタムしたりと地方都市ならではの楽しみを持つ者もいるようだ。